東日本本大震災により被災した地域は、震災から7年目(2018年)を迎えても子ども・若者たちが安心して遊び、学び、暮らせる状態に未だ至っていません。
生活困窮、長期の避難生活による精神的疲労、住まいの再建が進む一方で将来の生活、仕事などの不安が顕在化し、子ども・若者の置かれている状況は複雑化、潜在化してきています。
復興支援における支援活動が減少する中で、子ども・若者ひとり一人に寄り添うことができる民間非営利組織の役割は重要になっています。
日本NPOセンターは日産自動車株式会社の寄付を受けて、2011年から東日本大震災で被災した子どもたちの笑顔を取り戻すプログラム(日産プレジデント基金)を実施してまいりました。
2018年1月からは、名称を『日産スマイルサポート基金』に改め、東日本大震災により被災した岩手、宮城、福島に住む 子ども・若者たちを応援することを目的に、 「遊び・体験活動」「生活支援活動」を民間非営利組織(NPO)と連携して行いました。
2021年1月から第2期として、東日本大震災により被災した福島県内に住む子ども・若者たちを応援することを目的に、民間非営利組織(NPO)に「遊び・体験活動」「生活支援活動」の事業助成を行っています。
東日本大震災により被災した地域は、子ども・若者たちが安心して遊び、学び、暮らせる状態に未だ至っていません。そのなかでも福島県においては、公共施設や道路・鉄道などハード面の復興が進み新しい街の姿がみえてくる一方、避難解除区域での生活再建は進んでいません。さらに住民の将来の生活、仕事などの不安が顕在化し、子ども・若者の置かれている状況は複雑化、潜在化してきています。そのようなことから日産スマイルサポート基金は2021年1月から「第2期助成事業」として福島県内に住む子ども・若者たちを応援する活動を支えていきます。
対象となる団体は、以下の全てを満たす団体とします。
(1)東日本大震災で被災した子ども・若者を支援する活動の実績が1年以上ある
(2)民間の非営利組織である
(3)団体の目的・活動が政治・宗教に関わりがない
(4)暴力団・反社会的勢力との関わりがない
(5)日本NPOセンターの東日本大震災支援事業で過去助成対象となった団体(NPO経営者ゼミ含む)
対象となる活動は、以下(1)(2)のいずれかを満たすものとします。
(1)活動場所
福島県内のみ(事務所所在地は福島県外でも可)
(2)活動内容
A)子ども・若者を対象とする遊び・体験活動
自由に遊び、楽しむ時間を得ることで、被災した地域の子ども・若者がいきいきと笑顔になることを目指す活動。
活動例:自然体験活動、スポーツ(屋内外)、アート 等
B)子ども・若者を対象とする生活支援活動
安心できる時間を得ることで、被災した地域の子ども・若者がのびのびと暮らせることを目指す活動。
活動例:居場所づくり、心のケア、学習支援 等
①応募内容が「助成の趣旨」および「助成の対象となる事業」に合致しているか
②実現性:応募事業の目標、実現の方策、予算等が適切で実現性が高いか
③先駆性:新しい生活様式にあわせ、創造性に富み、チャレンジ性があるか
特定非営利活動法人にじいろクレヨン 理事長 柴田滋紀
日産自動車株式会社 サステナビリティ推進部
特定非営利活動法人日本NPOセンター 事務局長 吉田建治
2021助成(助成期間2021年1月1日~2021年12月31日)は、2020年11月1日より告知を開始し、同年11月30日までを応募受付期間としたところ、13件、助成希望総額1,698万円の応募があった。
応募テーマ別では「子ども・若者を対象とする遊び・体験活動」の9件に対し、「子ども・若者を対象とする生活支援活動」は5件だった。(うち1件は両方のテーマで応募があった)
応募事業の活動地域別内訳では多い順に、福島県中通り、浜通り、会津地方であった。
法人格別では、特定非営利活動法人が78%、任意団体(法人格ナシ)が22%であった。
助成希望金額は、59万円~150万円という幅があった。
選考は、選考委員各自で応募書類の事前評価を行い、選考委員会で事前評価を基に審議を行った。最終的に6団体を採択とし、助成総額は821万円とした
実施団体 | プログラム名 | 活動地域 | 助成額 |
---|---|---|---|
特定非営利活動法人福島県有機農業ネットワーク | 種から食べ物を創る体験型食育活動 | 喜多方市・郡山市・須賀川市・福島市 | 72万円 |
特定非営利活動法人チームふくしま | ひまわり栽培体験及びドローン・カメラ・動画作成体験事業 | 田村市、双葉町、富岡町 | 150万円 |
特定非営利活動法人ココネット・マム | 子どもが主体「げんKIdsクラブ」~活動を地域から~ | 郡山市 | 150万円 |
特定非営利活動法人勿来まちづくりサポートセンター | こもれびの森制作とトレイルツアー開催による自然体験活動事業 | いわき市 | 150万円 |
特定非営利活動法人みんなのひろば | 「親子で実験動画コンクール@おうちじかん」事業 | 伊達市、福島市 | 149万円 |
(学生団体)福島大学災害ボランティアセンター | ふくしま子どもネイチャリングキャンプ、南相馬市子どもフリースペース | 南相馬市・北塩原村など | 150万円 |
採択件数:6団体
助成総額:821万円
実施団体 | プログラム名 | 活動地域 | 助成額 |
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特定非営利活動法人福島県有機農業ネットワーク | 種から食べ物を創る体験型食育活動 | 喜多方市・郡山市・福島市・いわき市 | 99万円 |
特定非営利活動法人チームふくしま | ひまわり栽培及びドローン・カメラ・動画作成、ひまわり防災検定体験事業 | 全域 (特に田村市) | 149万円 |
特定非営利活動法人ココネット・マム | 子どもが主体「げんKIDSクラブ Part2」 | 郡山市 | 150万円 |
特定非営利活動法人勿来まちづくりサポートセンター | こもれびの森制作と勿来の関こどもトレイル 開催による自然体験活動事業 | いわき市 | 150万円 |
特定非営利活動法人みんなのひろば | 「親子で実験動画コンクール@おうちじかん2022」事業 | 伊達市、福島市 | 140万円 |
(学生団体)福島大学災害ボランティアセンター | ふくしま子どもネイチャリングキャンプ、相双地区学習支援 | 南相馬市・楢葉町・北塩原村など | 150万円 |
採択件数:6団体
助成総額:838万円
実施団体 | プログラム名 | 活動地域 | 助成額 |
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特定非営利活動法人福島県有機農業ネットワーク | 種から食べ物を創る体験型食育活動 | 喜多方市・郡山市・福島市・いわき市 | 80万円 |
特定非営利活動法人ココネット・マム | 子どもが主体「げんKIDSクラブ Part3」 | 郡山市 | 122万円 |
特定非営利活動法人勿来まちづくりサポートセンター | こもれびの森制作と勿来の関こどもトレイル開催による自然体験活動事業 | いわき市 | 115万円 |
(学生団体)福島大学災害ボランティアセンター | ふくしま子どもネイチャリングキャンプ | 福島県北塩原村 | 120万円 |
特定非営利活動法人ホールアース研究所 福島事務所 | “旅するようちえん(仮称)”の開催による自然体験とその場づくり | 郡山市・矢吹町・大玉村 | 138万円 |
特定非営利活動法人中之作プロジェクト | 子育て世代が住みよい生活環境を目指し「遊びで港町の風景をデザインする」 | いわき市 | 132万円 |
特定非営利活動法人みんなのひろば | みんなのひろば役立ち隊プロジェクト2023 | 伊達市、福島市 | 133万円 |
採択件数:7団体
助成総額:840万円